リベッテ ディレッテ (WEBサイト制作の中の人の話)

リベラルアーツとディレクション

あなたのチームは皆ビジネスという視点でプロジェクトを理解しているか

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)の話題の続き。

これまでの内容はこちら。

(1回目)プロジェクトマネジメントにおけるバランス感覚

(2回目)スケジュールをひくことで意識すべきこと

 

プロジェクトを運営する上で欠かせない視点が3つあるという。

・ビジネスという視点
・技術という視点
・顧客という視点

顧客要求とエンジニアはしばしば対立することもある。
それを調整するのがマネジメントの責務である。

今回の話は、
プロジェクトマネージャーは理解しておく必要があるが、
特にそれ以外のプレイヤー(ディレクター、アシスタント、コーダー、デザイナー、オペレーター)も理解しておく必要があると思う。
それも踏まえて説明していこう。

ビジネスという視点

本書にはこのようにある。
企業会計の損益(P&L)に対する影響に着目するということ(中略)
最終的にプラスにならなければ、給料は出ないし、
契約も更新されないということを、全員が理解しておくべきでしょう。

そしてこのように続ける。

エンジニアリングチームがビジネスの仕組みに気づいていない場合、
マネジメントの行う意識決定の多くは、非論理的、または愚かなことにみえるはずです。


チームの誰もがが以下の質問に答えられる状況は、
ビジネスという視点でものごとを捉えていることをになるという。

・顧客が抱いているニーズや望みは何か?
・こういったニーズや望みに見合った機能、サービスとして、どういったものを提供できるか?
・顧客は何を基準にしてこの製品やサービスを購入するのか?顧客が購入に踏み切る動機は何か?
・コスト(人材面、リソース面)はどれくらいになるのか?また、それはどの程度の期間必要になるのか?
・どれくらいの収入(または運転コストの低減)が期待できるのか?また、それはどの程度の期間有効なのか?
・実現する上で、してはいけないことは何か?
・これは長期的なビジネス戦略に貢献するか、また、その他の収入を生み出す資産を保護できるのか?(中略)
・これによって競合他社とどのように戦うか、また競合他社をどのように出し抜き、打ちのめすことができるのか?
・このプロジェクトの成果物を市場に送り出す時期はいつか?

クライアントの要求事項の先には、
もちろん、売上拡大やコスト削減が背景にある。
その目的を持たないまま、プロジェクトを作業として捉えると、
途端に、個人の好みの問題や、労働負荷の論点に変えられてしまう。

こういったビジネスという視点は、
何も拝金主義になることではなく、どれだけビジネスに貢献できるのかという話だ。

エンジニアもこれを理解することで、
マネジャーの言うことや顧客の言うことが理解はしやすくなる。
視野が広がり、キャリアパスの選択肢もきっと広がるだろう。


最後に本書から引用。

例えば、商品の品質は売上に影響を与えますが、こういった品質はマーケティングから生み出されるものではありません。
品質は、実際の顧客ニーズを満足させた設計とエンジニアリングによって生み出されるのです。つまり、ビジネス計画が技術的可能性(予測ではありません)を重視している場合にのみ、優れた成功を導きだすことができるわけです。

(1回目)プロジェクトマネジメントにおけるバランス感覚

(2回目)スケジュールをひくことで意識すべきこと

 

 

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)