リベッテ ディレッテ (WEBサイト制作の中の人の話)

リベラルアーツとディレクション

採用面接で合格を見送るパターン

月に5~10人の面接をやっている。

残念ながら合格を見送ったパターンを紹介しよう。

年齢とキャリア志向のミスマッチ

30代過ぎて「コーダーとして独り立ちして活躍していきたいです」
40代過ぎて「ディレクターとして3年経験したら、プロジェクトリーダーになりたい」

その人が志しているキャリアならしようがないのであるが、
当社でそれは合わないと判断し、落とすようにしている。

「年齢は関係ない」という意見はあるかもしれない。
しかし、当社では30代でマネジメント職を多くの者が行っている。
最低でもリーダー意識がないと厳しい。

また、40代であれば、
プロジェクトマネジャーやプロデューサーとして、
一人前であることを望む。

3年たってプロジェクトリーダーになるのなら、
当社が期待するポジションにいつたどり着くのだろうか。

年収とスキルのミスマッチ

スキルの割りに、年収が強気であるケースもある。

本人の希望年収だから出す分にはよいのだが、
プロジェクト運営規模の経験やスキルをみると、
当社では、まだディレクタークラスなんてことも。

具体性のないビジョン

今後、何を行いたいかと聞くと、
「2020年の東京オリンピックに向けて、
歴史に名を残すでかいことがやりたい」という人もいた。

オリンピックに絡んだ何かはできるかもしれないが、
歴史に名を残せるかはまた次元が違う。

当社でそれを実現できるイメージが私は持てなかったので、

「どういう風に実現するのか?」と聞くと、
それはこれから見つけるという。

ビジョンを語ることはいいのだが、
計画性や実現性も含めて話してほしいと思う。

育てていただきたい願望

志望理由を聞くと、
「御社に入れば、スキルが磨けると思って」という話を多く伺う。
もちろん、会社として人材育成をする場を
提供しなければいけないのであるが、
「入ること=スキル」があがるではない。

しかし、志望理由がそういうケースの場合、
会社にもたれているイメージが反映されているんだろうな…とも思う。

質問が残念

こちらの質問に対し、
受け答えがよかったのに、
最後の質問がイマイチ…

もっと業務のこと聞かなくていいのかな?
実は興味ないのかな?と思ってしまう。


とまぁ以上は、
採用側のエゴではあるかもしれない。

数ある企業の中で、
当社に応募していただけているということは事実である。

ただ、お互いギブアンドテイクできないと意味がない。

落とされたから、その人が悪いわけではない。

採用しても、本人の意思や希望に、
会社側が提供できないのであれば不幸だから、
早めに見切りをつけたということだ。

採用基準

iOS10のHome機能とIoT

 

iPhoneのナンバリング更新レベルの
アップデートの通知が来ても、
バージョンが安定するまで放置する。

しかし、今回のiOS10のリリースは、私にとっては珍しく、
早速アップデートした。

久々に、アップデートによって、
UIなどが変わっているという話を聞いたので、
(おそらく?)洗練されたであろうUIやUXを堪能しようと、
アップデートをこころみたのだった。

アップデート雑感

まず、起動方法が変わったことに戸惑う。
iPhone起動時に中央真下部分の起動ボタンを押すが、
癖として、その後ロック画面を解除するためにスワイプしてしまう。

iOS10では、スワイプする必要は無く、
起動ボタンだけでロックが解除されるモードとなる。

これ自体は、iPhoneを7年は使っている身からすれば、
なれるまで大変な印象を受けた。

そして、コントロールパネルを早速開いてみた。
UIとしては、基本的な要素は同じである。
見た目としてはパネルの形状が角丸がついたような印象。

パネルをスワイプすることで、
再生中のミュージックと切替ができるような
操作が可能となっている。
再生中のミュージックは、元来はこのコントロールパネルの1画面
まとまっていたことを記憶しているが、
2画面に分割したことで、煩雑さを軽減させている。

コントロールパネルの下部に配置されている各アイコン
(懐中電灯、タイマー、電卓、カメラ)は、
3D Touchによりサブメニューが開き、
詳細な設定ができるようになっている。

しかし、私が所有しているiPhone6では、
3D Touchに対応していないので、
恩恵を受けることができなかった。

HomeKit

件名にも記したところで、
大変、未来感あると感じた部分は、
HomeKitの前面化。

HomeKitの存在すら知らない人も多いと思う。
iOS8から搭載されており、
この機能は、iPhoneデジタル家電と接続できるようになっている。

私はこれに対応した家電をひとつも持っていないが、
iPhoneのワンタップで照明をコントロールしたりと、
結構便利なのではないかと思っている。

しかし、日本ではHomeKitに対応した家電は、
大手家電メーカーからは販売されていない。

それが及んでか、
日本は、IoT(モノのインターネット:Internet of Things)に対して、
後進的なイメージすらある。

IoTとは|IoT:Internet of Things(モノのインターネット)意味 - モノワイヤレス

しかし、今回のiOS10によって、
もっとも日本で普及しやすいIoTの基盤ができた。
iOSと接続できるデジタル家電は増えることを期待している。

私はAPPLE WATCHも所持している。
APPLE WATCHでも、HomeKitととの連携はできる。

watchOS3にはまだアップデートしていないし、
たいした恩恵は受けられないと思うが、
早速今日帰ったらアップデートしてみようと思う。

 

 

 

 

あなたのチームは皆ビジネスという視点でプロジェクトを理解しているか

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)の話題の続き。

これまでの内容はこちら。

(1回目)プロジェクトマネジメントにおけるバランス感覚

(2回目)スケジュールをひくことで意識すべきこと

 

プロジェクトを運営する上で欠かせない視点が3つあるという。

・ビジネスという視点
・技術という視点
・顧客という視点

顧客要求とエンジニアはしばしば対立することもある。
それを調整するのがマネジメントの責務である。

今回の話は、
プロジェクトマネージャーは理解しておく必要があるが、
特にそれ以外のプレイヤー(ディレクター、アシスタント、コーダー、デザイナー、オペレーター)も理解しておく必要があると思う。
それも踏まえて説明していこう。

ビジネスという視点

本書にはこのようにある。
企業会計の損益(P&L)に対する影響に着目するということ(中略)
最終的にプラスにならなければ、給料は出ないし、
契約も更新されないということを、全員が理解しておくべきでしょう。

そしてこのように続ける。

エンジニアリングチームがビジネスの仕組みに気づいていない場合、
マネジメントの行う意識決定の多くは、非論理的、または愚かなことにみえるはずです。


チームの誰もがが以下の質問に答えられる状況は、
ビジネスという視点でものごとを捉えていることをになるという。

・顧客が抱いているニーズや望みは何か?
・こういったニーズや望みに見合った機能、サービスとして、どういったものを提供できるか?
・顧客は何を基準にしてこの製品やサービスを購入するのか?顧客が購入に踏み切る動機は何か?
・コスト(人材面、リソース面)はどれくらいになるのか?また、それはどの程度の期間必要になるのか?
・どれくらいの収入(または運転コストの低減)が期待できるのか?また、それはどの程度の期間有効なのか?
・実現する上で、してはいけないことは何か?
・これは長期的なビジネス戦略に貢献するか、また、その他の収入を生み出す資産を保護できるのか?(中略)
・これによって競合他社とどのように戦うか、また競合他社をどのように出し抜き、打ちのめすことができるのか?
・このプロジェクトの成果物を市場に送り出す時期はいつか?

クライアントの要求事項の先には、
もちろん、売上拡大やコスト削減が背景にある。
その目的を持たないまま、プロジェクトを作業として捉えると、
途端に、個人の好みの問題や、労働負荷の論点に変えられてしまう。

こういったビジネスという視点は、
何も拝金主義になることではなく、どれだけビジネスに貢献できるのかという話だ。

エンジニアもこれを理解することで、
マネジャーの言うことや顧客の言うことが理解はしやすくなる。
視野が広がり、キャリアパスの選択肢もきっと広がるだろう。


最後に本書から引用。

例えば、商品の品質は売上に影響を与えますが、こういった品質はマーケティングから生み出されるものではありません。
品質は、実際の顧客ニーズを満足させた設計とエンジニアリングによって生み出されるのです。つまり、ビジネス計画が技術的可能性(予測ではありません)を重視している場合にのみ、優れた成功を導きだすことができるわけです。

(1回目)プロジェクトマネジメントにおけるバランス感覚

(2回目)スケジュールをひくことで意識すべきこと

 

 

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)

 

 

 

スケジュールをひくことで意識すべきこと

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)

本日も、「アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)」からの話題。

2回目はスケジュール。

1回目の話はこちら。

libettedirette.hatenablog.com

スケジュールの重要性は説明する必要がないかと思う。
本書によると、スケジュールには以下のような機能があると説明されている。

スケジュールには3つの機能があり、
ものごとがいつ完了するのかをあらわすこと
チーム全体における個人の成果物の位置付けを皆に理解させること
進捗の管理を可能にすること

プロジェクトの開始から完了まで余裕をもったスケジュールを作れるとよいのだが、
うまくはいかないことも多い。

クライアントは、スケジュールの期間を楽観視する。
WEB制作において半年は、かかるような大型プロジェクトにおいても、
3ヶ月でやって欲しいといわれることがある。

個人的に思うことは、作業という点では、
人界戦術で物理的にカバーできることはあるが、
人の思考はそのスピードに追いつかないことも多い。

というのは、
クライアント側の処理能力にも依存する。
半年を3ヶ月に圧縮するということは、
検討期間は2日から1日に圧縮する。
はたまた、2時間を1時間と…。

プロジェクトのあらゆる決め事に対し、
プロジェクトオーナーとしてクライアントは理解していただく必要がある。

その要件に対する解(WEBにおける成果物)が正しいかどうかの妥当性を
判断するスピード感はクライアントのリテラシーや力量に依存する。

やり手のディレクターは、
クライアントのリテラシーや力量をカバーするように、
それをわかりやすい資料にまとめたりする。
または、クライアントの"すべて"を理解するという工程をすっとばし、
信頼関係でもって補完する。
いわゆる「あなたにお任せ」状態をつくる者もいる。
(但し、これはプロジェクトオーナーとしてどうなのか、
あとから、言った言わないの議論に持ち込まれる可能性もある。)

タイトなスケジュールほど、
プロジェクトマネジメント側が、
スーパーマンにならなければいけないという問題は切り抜けられない。


スーパーマンになれないかもしれないが、
「アート・オブ・プロジェクトマネジメント」では、
スケジュールにおいて意識すべきこととして、
以下にまとめられている。

マイルストーンの長さはプロジェクトの不安定さに見合ったものとする。
・ビジョンに対しては楽観的に、スケジュールに対しては懐疑的に。
・設計に力を注ぐ。
・追加/削除を議論するためのチェックポイントを計画しておく。
・計画の哲学をチームに伝えておく。
・問題領域におけるチームの経験を見極める。
・共同作業に対するチームの自信と経験を測る。
・リスクへの取組みは早めに行う。

※各項目の説明に対しては、本書を是非参照していただきたい。

これらをスケジュールに盛り込むことは、
プロジェクトマネジメントの技法として、意識をしておいたほうがよい。
ただでさえ、時間がないのに…という状況でも、
このリストにあることが、スケジュールに対して柔軟性を生む。

スケジュールというのはあくまで見込みでしかない。
どれだけスケジュールを後からでも、臨機応変に対応できるかどうかが、
プロジェクトマネジャーとしての力量の見せ所である。

 

(過去の話題)プロジェクトマネジメントにおけるバランス感覚 - リベッテ ディレッテ

 

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)

 

 

小休止

ブログを一週間続けてみた。

なかなかまだ定着していない。

今日は少し小休止。

 

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プロジェクトマネジメントにおけるバランス感覚

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)

IT業界にはPM(プロジェクトマネジャー)という役割が存在する。
開発体制のヒエラルキーの最も上部に体制図の上で、君臨することになる。

最近私が思うのは、
プロジェクトマネジャーとして役割が
形式的なものになっていないかという不安である。

プロジェクトマネージャ試験(PM)のサイトにこう説明がある

www.jitec.ipa.go.jp


プロジェクト全体の意思決定を実行し、
品質・コスト・納期に全責任をもち、
前提・制約条件の中でプロジェクトを確実に成功に導き、
プロジェクトメンバを成長させるマネージャ

この活動がすべての人にできるのだろうか。
スーパーマンに近い存在である。

私のプロジェクトマネジメントに関するバイブル本があるのだが、
今回から何回かにわたって、説明していこう。

その本というのが「アート・オブ・プロジェクトマネジメント」である。

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)

 

本書の著者は、

マイクロソフトでInternet Exprolerの開発などのPMに従事。

本書自体はもう10年ほど前の発刊にはなるが、
書いてあることは、普遍的なものである。
今でも、この本に書かれていることに立ちかえり、
自分が行っている取組みを見つめなおすことができる。

まずその本の第1章に
プロジェクトマネジメントにおけるバランス感覚というものがあった。
その項目はいかの通り。

・エゴ/非エゴ
・独裁/委譲
・曖昧さの許容/完全性の追及
・口頭/文章
・複雑さの容認/簡潔さの支持
・焦り/忍耐
・勇気/恐れ
・信者/懐疑論

 

これら2つの対立構造になる語句がならんでいるが、

PMはこのバランスの中での判断が求められる。
その中でも、気をつけるべきは以下である。

一つ目にエゴという項目があるが、
PMはプロジェクトを任命され、自身のキャリアにつながり、
完了すれば称賛されるという目的があるかもしれない。
時として、それがPM個人の原動力となり、
プロジェクトを推進するかもしれない。

しかし、自分のエゴを優先してしまうようなことがあってはならない、
重要な仕事や面白い仕事は人に任せ、
称賛や報奨はチーム全体で分かち合う必要があるのだ。

繰り返すが上記に記載したリストは、
すべてにおいて、"時として"である。

プロジェクトを推進するのにあたり、
強引にやらなければいけないこともあるだろう。

こういったバランス力のある人は、
生まれ持っての才能なのであろうか。

そんなことはなく、
本書のように、言語化や項目化することで、
個人が意識できるようにはなる。
あとは実行できるかが、その人の力量となるのだ。

 

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)